・カルボン酸の選択還元反応に有効な触媒系の開発  

化成品の中間原料であるアルデヒド、アルコールを合成する有用な方法のひとつに、カルボン酸(R-COOH)を選択的に部分還元する方法があります。
しかし、プロセス(A)で示すような従来法は、多段階反応であるため効率が悪く、反応進行に伴いハロゲンを含有した腐食性の化合物が生成するため、環境汚染や合成装置の劣化等、多くの問題が存在します。この問題を解決する方法として、プロセス(B)で示す選択的還元反応プロセスの構築が挙げられます。このプロセスは触媒を用いることでカルボン酸を直接還元できるため、腐食性の化合物を生成することなく、かつ効率よく反応を進行させることができます。特に触媒が十分な活性、生成物選択性を示せば魅力あるプロセスとなります。当研究室では、プロセス(B)で有効に作用する触媒の開発を目的としています。

 
       

・希土類触媒によるベンゼンの液相部分水素化反応 やそのほかの興味深い触媒作用

希土類金属のうちEuとYb金属は液体アンモニアに容易に溶解することが知られている。当研究室ではこの溶解性を利用することによって、通常の方法では得られない新規な希土類系触媒が調製できることを明らかにし、さらにそれらが特異な触媒特性を示すことをこれまで報告してきました。
Eu, Yb金属は液体アンモニアと容易に反応して希土類アミド(Yb(NH2)2、Eu(NH2)2)を生成します。それらの熱分解生成物、特に窒化物はベンゼン液相水素化反応に高活性を示すこと、さらに、この希土類窒化物をアンモニア処理するとシクロヘキセンへの選択的水素化活性が発現することを新たに見出しました。ベンゼンのシクロヘキセンへの選択的な水素化反応はナイロン工業におけるキープロセスの一つであると同時に、シクロヘキセンは石油化学工業の中間原料として高効率な製造法の開発が強く望まれています。

また希土類金属アミドでは、アミドを前駆体にしてそれから得られる触媒が興味深い触媒特性を示すこともわかりました。アミドが熱分解したとき得られるイミドはオレフィンに対する水素化活性を、窒化物はオレフィンオリゴメリゼーション活性を示し、選択的なエチレン二量化反応が進行することがわかりました.

 
     
 

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